川崎市議会まちづくり委員会視察報告
10月18~19日
まちづくり委員会の視察で浜松市・名古屋市へ
浜松市では市内循環バス「く・る・る」を乗車も兼ね視察。
くるるの車体は日野ポンチョ
たいへんわかりやすい停留所表示板
前のブログでも触れた「オムニバスタウン」
その指定第1号が、この浜松市です。
市内の主な公共施設や病院などを巡回するのが、今回視察対象の「く・る・る」です。
まずは市役所に赴き、「く・る・る」についての説明を受けました。(脱線しますが、このときお茶とともに出していただいたのは、なんと市川の大好物・浜松名物「うなぎパイ」でした(笑)そして浜松市の新しいマスコットキャラクターはなんと市川も大好きな赤塚不二夫氏の漫画「天才バカボン」に登場する「ウナギ犬」!しかも「福」市長に任命されているとのこと!市役所のいたるところでウナギ犬発見!!さすが、うなぎの都浜松です)

「く・る・る」は、中心市街地の活性化と高齢者や都心居住者の移動手段の確保のため、市民の発案で平成14年からスタートした市内循環まちバスで、市役所などの公共施設、大規模商業店、学校や病院を循環します。
浜松市の補助を受け運行の主体となっているのは遠州鉄道。
平成14年スタート時は、東ループ西ループ(15分間隔一日35便)の2路線でしたが、今年から南ループ(30分間隔一日18便)が加わり3路線となりました。
料金は一律100円。俗に言うワンコインバスです。
車両は赤いデザインで統一された定員25名のたいへんかわいらしいミニバス。
18年度実績で、乗車人員は238000人余。一便の平均は9.4人
6300万余の経費のうち、3300万が補助金でまかなわれています。
早速市役所前から乗車。車内はシートが十数席しかない、大変小さなバスですが、きれいで乗りやすいバスでした。市内をまわりながら、昼間ということで多くの高齢者の方や学生さんが乗降。観光客の方も利用されるということですが、これなら100円でちょっとした市内観光にもなります。
市内の商店街とも「買物乗車券」など、いろいろなコラボレーションをされているとのことでしたが、なるほど、アイデアによっては商業振興にももっと役に立てられそうな可能性を感じました。
19日は名古屋の視察です。
元気があるとは聞いていましたが、いや、名古屋活気があります。
名古屋に嫁いだ友人がいたので20年ほど前、よく遊びに来たことがあったまちですが、建物が増え大変貌。
ここでも、視察は、なんとまた「バス」です。
名古屋各区で運行している地域循環バスの視察。
新潟や浜松とは違い、今回の地域循環バスは市営バス。市交通局が運行主体です。
名古屋の公共交通といえば、他に市営地下鉄もありますが、バスもまた市民の足として親しまれています。

名古屋では、平成16年から各区に一系統(支所を有する区は2系統)全市で22系統の地域循環バスの運行を開始しました。目的は、他の都市と同じく高齢者等の移動支援、環境負荷の軽減などです。
料金は200円(川崎と同じですね)運行は9時から16時までで、一時間に1便。通常の路線バスの停留所間隔が500mに対し、その半分の約250mの間隔で停留所を設置しています。
バスは小型が基本ですが、中型バスも利用されています。
市内の公共施設や病院、商業施設を巡回するのは浜松と同じです。
利用状況は、平成18年で一日あたり7032人。年々増加し、当初目標の7200人に近づいているところですが、営業収支を見ると、年間6億4000万余の赤字。これは市の一般会計から全額補填されているとのことでした。
バス事業の収支を計るのに、100円稼ぐのにいくらかかったかを示す「営業係数」という数字があります。
22系統各路線を見てみると、残念ながらすべてが赤字路線。もっとも営業成績のよいところで120.。逆にもっとも悪いところを見ると、なんと663。すなわち100円稼ぐために663円経費がかかるという大赤字!!
名古屋市民でなくても、ちょっとビックリする数字です。
この地域巡回バスは各区一律の運行形態ということでしたので、説明してくださった担当の主査の方に「各区一律でなく、ひどい赤字のところは今後便数やルートなど根本的に見直すことはないのですか?」と伺ってみたところ、「このバスは採算性ではなく、あくまでも公共交通として高齢者をはじめとする市民の足を確保することが目的なので、逆に赤字路線の区域ほど交通不便区域ということを考え、こうした路線こそ残さなければいけないのではないかと考えている」という趣旨の回答をいただきました。
赤字でも残すべきもの
うーん、ここでもまたこの問題です。
なるほど、この地域巡回バス、利用者の7割が高齢者とのことで、そのことが赤字の大きな原因になっていることも事実です。(高齢者には川崎と同じような優遇パス制度があるそうです)
しかし年間6億以上の赤字を市民が納得するのか・・・
受益者負担の公平性と、公で担保しなければいけない移動手段の確保・・・・
二律背反するこの問題をどのように解決すべきなのか
市川もこれは絶対に取り組んでいきたい課題です。
説明のあと、このバスに乗って一時間ほど名古屋市内を巡回してきました。
運行時間を正確にするため、時間調整で停止することもしばしば。一時間に1便だけということですから時間通りに運行しなければ大変なことになりますからね。
説明の通り、多くの高齢者の方々が利用されていました。
こうして、期せずして新潟に続きバスづくしの視察となりました。
偶然の必然。これは市川にバスを考えろという天の声なのでしょうか?(笑)
アメリカのポートランドやシアトルなどでは市内中心部のバスはすべて無料で多くの方がバスを利用し、きれいなまちづくりに繋がっています。
川崎に帰ってきて、駅前から市役所に向かう道、あまりの放置自転車の数と雑然とした風景に改めて驚きました。
浜松でも名古屋でも新潟でも、駅前や市役所のまわりは、どこも大変きれいで放置自転車もこれほどではなく、整然としておりました。
他都市を視察させていただいて、初めて川崎を「知る」こともあります。
バスの可能性は、きれいなまちへの可能性でもある・・・
視察から帰り、改めて感じた市川でした。