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2013年11月 1日

9月24日提出質問趣意書~質問と回答(県営住宅における高齢者見守り事業など)


9月24日付けで提出した質問主意書の回答がきましたので、質問とあわせ全文掲載させていただきます。


質問1.神奈川県住宅供給公社の今後の事業と公共的役割について

神奈川県住宅供給公社については、本年6月に公社から出された平成25年度から34年度までの経営計画の中で「財政的自立を図りながら、公共的役割を果たし」公社法に基づく法人として経営を継続するという考えが示され、今定例会で知事より県としても民営化の基本方針は廃止したい旨の答弁がありました。
公社法の改正も見込めない中諸々の課題を検証すれば、今回の公社および県の判断には一定の理解を示すものであります。しかしながら、公社という法人形態が継続しても、財政的自立がなければ県民の理解は得られませんし、その一方で公共的役割を果たさなければ、民営化をやめる意味がありません。
 「財政的自立を図る」ためには持続的な収益を維持することが不可欠です。
6月に公社から示された経営計画では、具体的な取り組みとしては、まずは住宅の建替え、売却を含めた公社ストックの活用を行うとしておりますが、今後3箇年の経営見通しを見ると、経常利益こそ20億円以上がつづくものの、一般賃貸住宅の収入は、毎年減収していく見込みで、10年、20年と長期にわたる持続可能な経営基盤づくりを考えると、原価の見直しだけでは無理があり、長期に安定的な収入を生む新たな優良な賃貸物件も必要となってくると考えます。
現在の公社が所有する一般賃貸住宅の利益率を調べると、横浜地区27.2%、川崎地区39.1%と今後も人口増加が期待される横浜・川崎地区での利益率が他地区に比べ高くなっております。公社のストック活用については、現在公社が県内に所有する主な事業方針未確定の団地、5か所約35,000㎡についても、今後事業展開をするか売却するのか決定していくことになりますが、例えば5か所の中の川崎市幸区北加瀬の公社所有地は、JR新川崎駅から徒歩10分圏内に立地する利便性の高い物件である一方、高さ制限がある地区のため高額での売却が難しいことも予想されるので、新規の賃貸事業展開も検討すべき物件のひとつと考えます。しかしながら、収益のみを考えて民間と同じような賃貸物件を新たに建設すれば、公社の公共的役割という理念から、県民の理解を得られるのか懸念が残ります。新規事業を展開するならば、併せて地域のニーズの高い高齢者や保育などの福祉施設を誘致し、公共性をもった優良賃貸住宅とすることも検討すべきと考えます。
そこで知事に伺います。神奈川県住宅供給公社が現在保有する事業方針未確定団地について、「財政自立」と「公共的役割」の両面からどのような事業展開が望ましいと考えるか、福祉施設誘致の考え方も含めご所見を伺います。

回答

神奈川県住宅供給公社は、平成25年6月に策定した経営計画の中で、財政的自立を図りながら、公共的役割を果たし、魅力ある住まい・まち、心豊かな暮らしを再生するという、経営理念を掲げています。
こうした考えに基づき、経営計画では、財政的自立に向け、例えば川崎市幸区戸手団地において、建替えにより家賃収入を増やすとともに、建物を集約することで余剰地を生み出し、その売却収入を建替え費用に充てることとしています。
また、公共的役割のひとつとして、相模原市南区の相武台団地において、サービス付き高齢者向け住宅と高齢者・子育て支援機能を併せ持つ複合施設を整備し、団地活性化のモデル事業を実施することとしています。
県としては、公社に、自らの経営計画を着実に推進していただく必要があると考えています。
特に、公社の事業方針未確定団地については、福祉施設に関する相武台団地のモデル事業の成果と課題を検証し、各団地周辺の地域の状況などを調査・検討した上で、経営計画で示している経営理念や取組に沿って、それぞれの団地ごとに未利用地の活用や売却を行っていく必要があると考えています。


質問2.県営住宅における高齢者の見守り・買い物対策など地域支えあい活動の推進について

(1)地域の支え合い活動モデル事業の経過と新たな展開について
県営住宅では入居者の高齢化が急速に進んでいます。県より示された「県営住宅ストック総合活用計画」においても、「高齢者が健康で安心して住み続けられる団地再生」をうたっており、主な取り組みとして、「住宅施策と保健福祉施策等のクロスファンクションによるモデル的な取り組み」などが挙げられております。
また、昨今、高齢者や障害のある方の孤独死や買い物弱者が大きな社会問題となったことを受け、平成22年に県保健福祉局と県土整備局が連携して県営3団地で行った孤独死防止対策等調査では、実に6割の高齢者が孤独死を身近な問題と感じており、また4割の方が買い物に困難を感じ、配達や出張販売などを望んでおられることがわかりました。
このようなニーズを踏まえ、平成23年県営5団地で「県営住宅等支え合い活動モデル調査研究事業」が実施されました。中でも県営浦賀かもめ団地で地元商店会の協力のもと実施された月1回の青空市の試みは、成果として、買い物をするだけでなく高齢者の方々にとって外出の良い機会となったことが挙げられ、地域の支え合いや見守りに発展する可能性を感じました。
しかし、モデル事業は単年度で終了、その事例集を県営団地に配布したことは伺いましたがこれらのモデル事業が県内の他の県営団地に広がったとは調査の範囲では確認しておりません。せっかくのクロスファンクションで行った調査やモデル事業の成果が、実際に「孤独死や買い物弱者」の解決に役立っているのか、疑問に思うところです。
確実に高齢単居者の増えることが予測される県営住宅では、見守り・買い物弱者への対応は、すぐにでも取り組むべき大きな課題であることは明白です。しかし、前述のモデル事業報告を見ても、すでに負担超過といわれる自治会役員や民生委員にこれ以上の負担をお願いするのは難しく、自発的なNPOの活動もすべての団地で期待するのは無理があると思います。そうした方々ばかりでなく、商業ベースで様々なノウハウやマンパワーを持つ民間事業者と、winwinの関係の中でご協力いただく方法をもっと模索すべきであると考えます。
そこで知事に伺います。
平成24年5月から、個人宅を訪問する事業者・団体と県が「地域見守り活動に関する協定」の締結を順次拡大し、神奈川県LPガス協会はじめ26団体に及んでいることは承知しておりますが、全県対象では、高齢者世帯などの個人情報の把握が難しく、きめ細やかな見守り・地域支えあい活動になかなか直結しないのも事実です。まずは県が所管する県営住宅において高齢者の見守り・地域支え合い活動の体制を構築し、県が率先して高齢化社会にひとつのモデルを示すことは大きな意義があると考えますが、それに関する調査やモデル事業が県内の県営住宅に広がりを見せたのかその後の経過を伺います。
モデル事業の中でも、買い物支援という高齢者のニーズに合致した「青空市」の開催は、見守り・地域支え合いにも大きな効果が見込め、あわせて近隣商店会などとの連携を図ることができれば地域商店街振興の効果も見込める施策となりえると考えます。商連かながわはじめ県内商業関係団体に広く協力を募り、県内のより多くの県営住宅での展開を検討するべきと考えますがご所見を伺います。
 また、食品や日用品の宅配については急増するニーズにこたえスーパーやコンビニ、外食チェーンなど様々な事業者が新規に参入しはじめております。県営住宅に居住する高齢者の生活支援や見守りの視点から、そうした団体との連携を模索することも検討すべきと考えますが、伺います。

回答
(1)地域の支え合い活動モデル事業の経過と新たな展開について

県では、一人暮らしの高齢者や障害のある方の孤独死と買い物弱者が大きな社会問題となっていることから、平成22年度に、孤独死を防止するための対策を検討するため、一人暮らしの高齢者を対象に生活上のニーズや孤独死等に関する意識などについて調査を実施しました。
この調査は、県営団地においても、一人暮らしの高齢者が多く居住している実態があり、現に孤独死が発生するという問題を抱えていたことから、高齢化率の高い3団地を抽出して行ったものです。
その調査結果で、回答者の6割強が孤独死を身近な問題と感じていること、また約4割が地域での見守りなどの仕組みを望んでいることや、普段の買い物で困っていることなどが、明らかとなりました。
そこで、平成22年度の調査結果を踏まえ、平成23年度限りの事業として、国の介護基盤緊急整備等臨時特例交付金を活用して、地域の住民組織等47団体において、地域の支え合い活動のモデル事業を実施し、このうち、県営住宅では8か所で行いました。
このモデル事業は、自治会による戸別訪問や電話などによる見守り活動のほか、引きこもりがちな高齢者の外出の機会となるサロンの運営、団地周辺の商店と連携した青空市の開催などを行ったものであり、孤独死が減少したほか、住民の交流の活性化などの成果が認められました。
こうしたモデル事業の成果については、活動事例集として、県のホームページに掲載したほか、各県営住宅の自治会や市町村等の関係機関に配布し、地域の主体的な支え合い活動の参考となるよう情報提供を行いました。
現在、URや市営住宅などの団地では、買い物支援や介護予防拠点、地域交流サロンの設置による取組などの活動が実践されており、着実に広がりを見せていると考えております。
またモデル事業の中では、県営浦賀かもめ団地で開催された「青空市」、県営文郷山団地で開催された「木曜マーケット」が事例としてありますが、高齢者が外出するよい機会となるなど、地域の見守りや買い物弱者支援に対する効果が認められました。
いずれの取組も、モデル事業が終了した現在においても、それぞれの自治会により、継続して実施されているところです。
このため、他の県営住宅においても、これらの事例を参考として、自主的に取り組まれることを期待しております。
宅配業者との連携による地域の見守り活動については、今後、県は、県営住宅の指定管理者や市町村と連携し、各県営住宅の状況に応じて、自治会やNPOが地元商店会等と協力して行う高齢者の見守りや支え合い活動をサポートしていくほか、個人宅を訪問する食材配達事業者等とも連携して、通報体制の充実などを進めてまいります。


質問2-(2)事業推進におけるクロスファンクションの取り組みについて


 県営住宅における孤独死防止対策等調査は保健福祉局と県土整備局が連携して行ったと伺っておりますが、県営住宅においてこうした地域支え合い活動の推進、定着のためには、部局を横断するクロスファンクションの取り組みが必要不可欠です。しかしせっかく国の基金を利用して行ったモデル事業が残念ながらなかなか広がりを見せない今の状況を前に進めるには、県土整備局が所管する県営住宅での事業展開ではありますが、この見守り・地域の支え合い活動の推進に関しては高齢者福祉にたずさわる保健福祉局が主体となって積極的に進めるべきと考えます。
そこで知事に伺います。県営住宅での先駆的モデル事業が、残念ながら、他の県営住宅になかなか広がっていない今の状況をどのようにとらえているのか、また事業を広げるよう部局横断の取り組みを今以上に推進する努力をはかるべきと考えますがご所見を伺います


回答
2)事業推進におけるクロスファンクションの取り組みについて

県は、県営住宅に住んでいる方の高齢化が進んでいることから、介護や医療施設などと連携してサービスを提供したり、コミュニティを活性化するなど、高齢者が暮らしやすくなるよう取り組んでいくことが重要と考えています。
県営住宅でモデル事業として取り組んだ地域の支え合い活動が、他の県営住宅に広がりを見せていないのは、自治会に期待されている役割が大きい一方で、高齢化の進展による自治会活動の停滞やマンパワーが十分でないといったことなどが要因として考えられます。
そこで今回改正した「県営住宅ストック総合活用計画」では、自治会活動を含めたコミュニティの活性化に向け、年齢や世帯構成のバランスが取れるよう、子育て期間中の世帯や若者夫婦世帯が優先的に入居できる「期限付き優先入居」の活用を進めていくこととしています。
併せて、住宅施策と保険福祉施策とが連携し、県営住宅において、高齢者が元気で暮らすための活動の場や、保健・医療・福祉サービスなどの拠点を、どのように整備していくのが望ましいのか、方向性を検討していくこととしています。
今後とも、高齢者が健康で安心して住み続けられる県営住宅となるよう、県土整備局と保険福祉局が連携して取り組んでまいります。

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