令和3年9月15日:第3回定例会 本会議 代表質問のご報告⑦【宿泊・自宅療養者等の投票権の担保について】

令和3年9月15日、県議会定例会にて行った代表質問の内容と答弁要旨を掲載致します。

【令和3年10月1日(金)テレビ神奈川(tvk)にて市川よし子の代表質問が放送されます!】

1 コロナ禍における喫緊の課題について

(4) 宿泊・自宅療養者等の投票権の担保について

≪質問≫

「宿泊・自宅療養者等の投票権の担保について」です。

新型コロナウイルスに感染した自宅療養者や宿泊療養者については、外出自粛が求められることから、これまでは投票が困難であったところ、議員立法による法律が本年6月に施行され、療養者の郵便投票が可能となったものと承知しています。
こうしたことは、憲法で保障された選挙権の担保という意味では意義あることであったと考えます。
ところで、8月に入り第5波と言われる感染爆発により、本県をはじめ、大都市部において、自宅療養者や宿泊療養者が急増している状況となっています。
そうした中、8月22日に横浜市長選挙が執行(しっこう)されたところですが、有権者の関心が高かったことから、投票率が49.05%と前回を11.84ポイント上昇しました。
では、郵便投票はどうであったのか?
横浜市は投票日時点での宿泊・自宅療養者の総数を出していませんが、当日の無症状軽症の方が8千数百人であったと聞いており、特定郵便等投票の対象者は8000人程度いたのではと推測しますが、この制度を活用した件数は、わずか50件程度にとどまったと聞いております。制度の利用に関して何らかの課題があったのでないかと懸念するところです。
調べてみたところ、療養者が投票を行うにあたっては、まず、市区町村選管に、投票用紙の交付を郵便で請求するのですが、その交付申請用紙については、電話も可能と併記されているものの、インターネットでダウンロードとあります。これでは、ネット環境のない方や高齢者が申請用紙を入手できるか疑問です。次に、送られてきた投票用紙に候補者名を記入し、改めて郵便で送付となっておりますが、独り暮らしの自宅療養者は、郵便ポストに投函するため外出することはできず、家族と同居の場合も、家庭内クラスターも多く発生している現状、家族の助けを借りて投函することも難しいのではと考えます。また、投票用紙の請求期限は、選挙期日4日前で締め切られるため、それ以降に感染が判明した方は投票ができません。このような短期間に、郵送を二度も行うことは、時間的にもかなり無理があると考えます。制度設計自体がどうなのか率直に疑問に感じます。
更に、総務省ホームページにも記載がありますが、この特例郵便投票制度は、濃厚接触者は対象になっておりません。
本来ならば、横浜市長選挙などでの結果を検証し、国会で制度の修正も検討すべき問題と思いますが、国会は開催されておりません。
こうしたことを鑑みると、今後実施が想定される衆議院議員総選挙に向けて、周知徹底も含め、他県とも連携し、緊急に国に働きかけるなど、有効な手立てを検討すべきと考えます。
特に今回の総選挙は、国難といわれる新型コロナ感染症への対策が大きな争点になると言われ、一票を投じ、国政にご自身の意思を示したいと強く感じられている有権者は多く、投票する権利の担保はなんとしても配慮すべきものであると考えます。

そこで、県選挙管理委員会書記長に伺います。
特例等郵便投票制度について課題をどのように認識し、今後想定される衆議院議員総選挙等に向けてどのように対応していくのか、ご所見を伺います。

≪県選挙管理委員会書記長答弁≫

選挙管理委員会関係のご質問にお答えします。
宿泊・自宅療養者等の投票権の担保についてお尋ねがありました。
外出自粛を求められる自宅療養者・宿泊療養者が選挙権を行使することを可能とするため、本年6月に特例郵便等投票制度が施行されました。
そうした中、先月の横浜市長選挙では、報道によれば、本制度の利用者は約50人にとどまっています。
これは、市区町村の選挙管理委員会と療養者の間で投票用紙等のやりとりに時間がかかることに加え、特に自宅療養者は投函に援助が必要であることが一因と考えられます。
また、施設内でポスター掲示等を行った宿泊療養者に対し、自宅療養者にはどのような周知方法が適切なのかが、課題となりました。
そこで、今後は、自宅療養者の援助について、まずは家族、友人・知人にご協力いただくことが前提とはなりますが、例えば市町村が行う生活支援サービスの一環で援助することもできないか、市区町村選挙管理委員会とも検討していきます。
また、制度の周知に関しては、本県のLINE公式アカウント新型コロナ対策パーソナルサポートと連携して、より多くの方々に周知し、本制度の利用につなげたいと考えています。
さらに、本年6月には、都道府県選挙管理委員会連合会を通じて、国に要望したところですが、国会の附帯決議で、国が制度の周知徹底に努める、とされていること等も踏まえ、改めて国に対し、効果的な周知を働きかけていきます。
県選挙管理委員会としましては、こうした取組を通じて、今後実施される衆議院議員総選挙に向けて、特例郵便等投票制度の利用促進を進めてまいります。
答弁は以上です。

≪再質問≫

次に、宿泊・自宅療養者等の投票権の担保についてですが、ご答弁ありがとうございました。
いろいろやっていただけるということなのですが、質問でもちょっと触れたのですけれども、実はこの制度、濃厚接触者というのは、郵便投票の対象になっていない。投票所で投票してくださいということになっているわけですね。
ところが、感染法上は、濃厚接触者とされた場合、検査でたとえ陰性であったとしても14日間は外出自粛の協力を要請することになっていて、ちょっと矛盾したようなお話になっていますし、また、今、検査がなかなか、濃厚接触者の方もできないということで、本当に陰性なのか陽性なのか分からない接触者の方もいらっしゃる。こういった方が、投票所で投票する場合、県選管として市区町村選管に対して、例えば導線を別にするなど、感染対策を求めるべきと考えますが、伺います。

≪県選挙管理委員会書記長答弁≫

選挙管理委員会関係の再質問にお答えします。
県選挙管理委員会では、これまでも、市区町村選挙管理委員会に対し、投票所の、消毒液や飛沫防止シートの設置、入場する人数の管理や動線の工夫など、適切な感染防止対策をお願いしてきました。
今後の衆議院議員総選挙においては、すべての市区町村選挙管理委員会で投票が行われることから、改めて、こうした感染防止対策の徹底をお願いしてまいります。
なお、国は、濃厚接触者について、その把握にかかる保健所の過重な負担等を考慮し、制度の対象外としていますが、国会の附帯決議で、濃厚接触者の取扱について引き続き検討を加えることとされていることから、引き続き国の動向を注視してまいります。
答弁は以上です。

≪要望≫

「宿泊・自宅療養者等の投票権の担保について」です。
せっかくの郵便投票制度ですが、これで投票権が担保できるのか甚だ心配になります。国への働きかけを要望します。

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