代表質問議会報告①

9月10日、立憲民主党・かながわクラブ県議団を代表し、本会議で代表質問に立ちました。

今回の代表質問では、県民の暮らしと命を守り、神奈川のこれからを切り拓くため、県政の重要課題12項目を取り上げました。

内容は、

第1の柱「ここからの神奈川」
第2の柱「県民のいのちと安全を守る取組」
第3の柱「県政の諸課題」

の3つに分かれています。

質問を通じて具体的に前進した施策がある一方、納得できない答弁や、引き続き取り組むべき課題も明らかになりました。

これから3回にわたり、それぞれの柱ごとに、私が何を質問し、県からどのような答弁があったのか、さらに今後どのように取り組んでいくのかをご報告します。

第1回は「ここからの神奈川」です。

代表質問議会報告①

第1の柱 ここからの神奈川

令和8年9月10日、立憲民主党・かながわクラブ神奈川県議会議員団を代表し、本会議で代表質問に立ちました。

第1の柱「ここからの神奈川」では、令和9年度当初予算、特別市制度、県立病院、県営水道のデジタル化、公立高校の定員と入試制度について質問しました。

1(1)令和9年度当初予算編成について

【質問】

物価高が続き、県民生活や県内事業者を取り巻く状況は依然として厳しいものがあります。

一方、県は令和9年度当初予算について、税収増を見込むものの、介護・医療・児童関係費などの増加により、現段階で約300億円の財源不足を見込んでいます。

そこで、約300億円の財源不足をどのように見込んだのか、また、子ども・子育て支援、福祉、医療、県内経済の活性化など、先送りできない課題に対応するため、どのような方針で予算編成を進めるのか、知事に質問しました。

【答弁】

知事は、県税と地方譲与税は令和8年度当初予算と比べて約1,900億円増える一方、地方交付税や前年度から繰り越す財源などが減るため、歳入全体では約500億円の増加にとどまると説明しました。

これに対し、介護・医療・児童関係費、教育施設の更新、賃上げや物価高騰への対応などにより、歳出は約800億円増えるため、差額の約300億円を財源不足として見込んでいるとの答弁でした。

【再質問】

国では現在、飲食料品にかかる消費税の減税が議論されています。

消費税の一部は地方消費税として県や市町村の財源になっているため、飲食料品の消費税減税が実施された場合、神奈川県の財政運営にどの程度の影響が生じるのか、知事に具体的な金額を示すよう求めました。

【再質問への答弁】

知事からは、市町村への税交付金を除いても、県の実質的な減収額は年間約320億円になるとの試算が示されました。

また、地方財政に支障が生じないよう、全国知事会と連携して国に対応を求めていくとの答弁がありました。

【今後の取組】

県がすでに見込んでいる約300億円の財源不足とは別に、飲食料品の消費税減税が実施されれば、年間約320億円の減収が生じる可能性があります。

減税の是非だけでなく、地方の減収を誰が補い、子育て、福祉、医療、教育などの県民サービスをどう守るのかまで含めた制度設計が必要です。

県民サービスに影響が及ばないよう、国の議論と県財政への影響を厳しく確認していきます。

1(2)特別市制度による警察事務への影響について

【質問】

特別市制度では、特別市が県の区域外となり、原則として県が担ってきた事務、権限、財源を引き継ぐとされています。

警察についても、県警察を分割し、新たに特別市公安委員会や特別市警察本部を設置することが想定されています。

そこで、県警察が分割された場合、犯罪捜査、災害対応、広域交通、警備、指揮命令系統などにどのような影響が生じるのか、知事の認識を質問しました。

【答弁】

知事は、警察庁が警察分割によるコスト増や非効率化を懸念し、全国知事会も災害やテロへの対応に支障が生じる可能性を指摘していると説明しました。

広域犯罪が増える中で警察を分割することは「時代の流れに逆行する」とし、公安委員会の共同設置についても、現行法や自治体間の調整などの面から現実的ではないとの認識を示しました。

その上で、特別市制度は大都市制度の選択肢になり得ず、法制化の阻止に全力で取り組むと答弁しました。

【今後の取組】

大規模災害では、市町村の境界を越えた救助活動が必要です。

県民の命と安全に関わる警察事務への影響について、政令市側とも具体的に議論するよう求めました。

県民生活への影響が十分に示されないまま、特別市ありきで拙速に法制化することには、現時点で反対です。

1(3)県立病院の今後のあり方について

【質問】

県立循環器呼吸器病センターの再編・統合が、現在の患者や地域医療に与える影響について質問しました。

併せて、小児の入院リハビリテーション、脊髄損傷、高次脳機能障害など、民間だけでは担うことが難しい医療を提供している神奈川リハビリテーション病院の機能強化を求めました。

【答弁】

知事は、循環器呼吸器病センターが担う医療のうち、難治性呼吸器疾患と結核医療は県立病院の医療として継続し、令和12年度以降のできるだけ早い時期に、がんセンターへ統合することを検討すると答弁しました。

一方、その他の医療については計画的に縮小し、県立病院としての提供を終了する方向が示されました。

神奈川リハビリテーション病院については、脊髄損傷、小児神経疾患、高次脳機能障害などのリハビリテーション医療を強化するとしました。

【再質問】

令和9年度末で現在の指定管理期間が終了する神奈川県総合リハビリテーションセンターについて、令和10年度以降の運営方法を確認しました。

【再質問への答弁】

知事は、令和10年度以降も指定管理者制度を継続し、現在の神奈川県総合リハビリテーション事業団を非公募で選定する考えを示しました。

また、指定期間については、現在の10年間から5年間に変更すると答弁しました。

【今後の取組】

難治性呼吸器疾患と結核以外の医療を、県立病院として終了するという重大な方向性です。

経営効率を優先した拙速な廃止ありきではなく、患者や地域医療への影響を十分に検証し、丁寧に議論するよう求めていきます。

1(4)県営水道におけるデジタル化の推進について

【質問】

県営水道では、200人を超える方々が水道メーターの検針業務に従事しています。

今後、生産年齢人口が減少する中で、検針員や水道技術職員の確保が難しくなることが予想されます。

そこで、使用水量を遠隔で把握できるスマートメーターの導入と、AIを活用した漏水調査を、研究だけで終わらせず、試行から実際の導入へつなげるよう企業庁長に求めました。

【答弁】

企業庁長は、スマートメーターには検針業務の省力化、漏水の早期発見、高齢者の見守りなどの効果がある一方、全面導入すると年間経費が現在より約33億円増えると説明しました。

そのため、まずは検針に時間と手間がかかる中山間部の小規模な配水区域で試行導入すると答弁しました。

また、線路下の水道管など、漏水した際の影響が特に大きい場所にセンサーを設置し、音や振動をAIで分析して漏水を常時監視する取組を進める考えも示されました。

【今後の取組】

スマートメーターの試行導入と、AIによる漏水監視へ一歩前進しました。

費用対効果を検証しながら、本格導入に向けた具体的な道筋を示すよう求めていきます。

1(5)公立高校の定員の今後のあり方について

【質問】

少子化と私立高校無償化が、県立高校の定員と入学者数に与えている影響について質問しました。

県内の公立中学校卒業者は、現在の約6万6,000人から、令和18年には約5万人まで減少すると見込まれています。

恒常的に定員を下回る学校については、原因を分析し、学校の魅力向上と適正な定員設定の両面から検討するよう求めました。

【答弁】

教育長は、令和8年度の県立高校全日制の欠員が2,002人となり、前年度より572人増えたことを明らかにしました。

志願倍率が1倍を下回った学校は40校あり、中には倍率が0.35倍の学校もありました。

また、翌年度の公立中学校卒業予定者が約1,600人減ることから、公立高校の募集定員を1,550人、約40学級分減らす方針が示されました。

【再質問】

現在、神奈川県の公立高校入試は、一つの高校にしか志願できない単願制です。

私立高校無償化によって公立から私立への進学シフトが進んだ大阪府では、令和10年度入試から、公立高校の第2志望校にも出願できる制度を導入する方針です。

そこで神奈川県でも、生徒の選択肢を広げ、就学機会を確保するため、複数の県立高校を志願できる「併願制」の導入を検討すべきではないかと教育長に問いました。

【再質問への答弁】

教育長は、過去の複数志願制では、第2志望校の実質的な倍率が分かりにくいなどの課題があったことを理由に、現時点では併願制を導入しないと答弁しました。

一方、国のデジタル併願制や他県の動向を見ながら、入試制度の改善を検討するとしました。

【今後の取組】

過去に複数志願制を廃止した当時と、私立高校無償化が進み、県立高校の欠員が2,002人に達した現在とでは、状況が大きく変わっています。

以前の制度に課題があったのなら、その課題を改善した新しい仕組みを考えるべきです。

今回の答弁で終わらせず、生徒の選択肢を広げる併願制の導入を、これからも継続して求めていきます。

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