代表質問議会報告②

第2の柱 県民のいのちと安全を守る取組
第2の柱では、線状降水帯などの豪雨、帰宅困難者、富士山等の火山災害、サイバー空間を悪用した犯罪について、県民の命と安全を守るための具体的な対策を求めました。
2(1)豪雨対策の充実について
【質問】
令和8年8月の千葉豪雨では、線状降水帯が相次いで発生し、道路や市街地が浸水する内水氾濫が起きました。
線状降水帯は事前予測が難しく、短時間で道路冠水や河川の増水が広がります。ハード整備だけですべての被害を防ぐことはできません。
そこで、危険が迫った際の迅速な情報発信、冠水したアンダーパスへの車両進入防止、平時からの備え、内水�ハザードマップを公表していない市町への支援について質問しました。
【答弁】
知事は、線状降水帯の発生見通しを市町村と共有し、災害の危険が迫った際には、SNSなどを通じて県民への注意喚起を徹底すると答弁しました。
また、県民が平時から自ら備えられるよう、ハザードマップの確認方法や、水没した車両からの脱出方法を紹介する動画を制作し、危険度が高まった際にはプッシュ型で配信するとしました。
県管理道路では、アンダーパスを示す看板を早急に設置するとともに、冠水時の車両進入を防ぐ遮断機も増設します。
内水ハザードマップを公表しているのは県内20市町にとどまるため、未公表の市町から課題を聞き取り、勉強会などの技術的支援を行い、速やかな公表を促すとの答弁でした。
【今後の取組】
重要なのは、県民一人ひとりが平時から自宅や通勤経路の危険箇所をハザードマップで確認しておくことです。
線状降水帯などの危険が迫った際には、冠水した道路や河川へ近づかず、車でも徒歩でも不要不急の外出を控えなければなりません。
遮断機などのハード対策と、自ら備えるための情報発信を両輪で進めるよう求めました。
国に対しても、豪雨災害に対応する社会基盤整備の拡充を求めるよう要望しました。
2(2)帰宅困難者対策について
【質問】
私は、東日本大震災直後に初当選して以来、帰宅困難者対策を繰り返し取り上げてきました。
平成27年の本会議では、帰宅困難者対策を県の地震防災戦略に盛り込むよう提言し、平成28年3月の戦略改定で実現しました。
さらに令和6年には、外国人を含む観光客への対策を加えるよう求め、令和7年3月の戦略改定に反映されました。
今回は、首都直下地震や大規模豪雨などで大量の帰宅困難者が発生した場合に備え、県が広域的な立場から対策をさらに充実させるよう求めました。
特に、一時滞在施設を指定するだけでなく、災害時に誰もがその場所をすぐ確認できる仕組みが必要だと訴えました。
【答弁】
知事は、首都直下地震が発生した場合、県内で約106万人の帰宅困難者が発生すると想定していると説明しました。
県内には、水やトイレなどを提供する災害時帰宅支援ステーションが約9,000店舗、市町村が指定する一時滞在施設�が約500か所、県有施設の一時滞在施設が14か所あります。
今回の質問を受け、一時滞在施設の位置情報を「かながわ防災パーソナルサポート」に掲載し、初めて地図上で確認できるよう、情報発信機能を強化するとの答弁がありました。
【今後の取組】
一時滞在施設が指定されていても、災害時に場所が分からなければ利用できません。
長年取り組んできた帰宅困難者対策が、一時滞在施設を地図上で確認できる仕組みとして、さらに一歩前へ進みます。
土地勘のない観光客や外国人も含め、スマートフォンから最寄りの施設を確認し、実際にたどり着ける仕組みとなるよう、実装まで確認していきます。
2(3)富士山等火山対策について
【質問】
富士山で大規模な噴火が起きれば、溶岩流が県西部の3市4町に到達する可能性があります。
また、数センチの降灰でも、道路、鉄道、電気、水道などのライフライン、農業、県民の健康に大きな影響が生じます。
火山灰は雪のように自然に溶けないため、大量の灰をどこへ運び、どこに仮置きし、どのように処分するのかも、事前に決めておく必要があります。
火山災害は地震や風水害とは異なる特性を持つことから、現在の地域防災計画から火山災害対策を独立させ、県民への普及啓発と具体的な備えを強化するよう提案しました。
【答弁】
知事は、山梨県、静岡県と連携し、火山灰の除去手順、仮置場の選定条件、住民の避難行動を促す普及啓発などを検討し、3県共通のガイドラインを策定すると答弁しました。
さらに、噴石、溶岩流、火山ガス、降灰など、火山特有の災害を分かりやすく示すため、火山災害に特化した地域防災計画を策定する方向で検討する考えが示されました。
【今後の取組】
今回の質問によって、火山災害に特化した地域防災計画の策定へ、県が動き始めます。
いつ発生するか分からないからこそ、平時の今、避難、降灰処理、交通、ライフラインへの影響を具体的に検討するよう求めていきます。
2(4)デジタル・フォレンジックをはじめとした基盤強化について
【質問】
匿名・流動型犯罪グループが、秘匿性の高い通信アプリやSNSを悪用し、若者を犯罪の実行役として募集するなど、犯罪の手口が複雑化・高度化しています。
消去されたデータを抽出・解析し、通信履歴や犯罪の実行過程を明らかにする「デジタル・フォレンジック」の強化を求めました。
併せて、高度な情報通信技術を持つ人材の確保・育成、解析資機材の整備、犯罪の変化に対応できる警察組織の体制強化を警察本部長に質問しました。
【答弁】
警察本部長からは、複雑化・高度化するサイバー空間の脅威に対応するため、専門人材の確保・育成と、デジタル・フォレンジックを支える解析資機材の整備など、捜査基盤を強化していく考えが示されました。
【今後の取組】
犯罪に使われる技術は急速に変化しています。
警察側も、新しい技術に対応できる人材、資機材、組織体制を不断に整備する必要があります。デジタル・フォレンジックをはじめとする捜査基盤の一層の強化を求めていきます。
