代表質問議会報告③

第3の柱 県政の諸課題

第3の柱では、多様な人材を確保するための県職員の通年採用、100万人を超える登録者を持つ感染症情報LINE、県立福祉機構の予算と地域移行について質問しました。

3(1)多様な人材確保に向けた通年採用について

【質問】

少子高齢化と生産年齢人口の減少が進む中、自治体でも人材確保が大きな課題となっています。

そこで、募集や試験の時期だけでなく、実際に県庁へ入庁する時期まで柔軟にする「通年採用」への転換を知事に提案しました。

行政が決めた一律の日程に人材を合わせるのではなく、第二新卒や社会人経験者など、それぞれの事情に合わせて県庁を選択できる�採用制度が必要です。

【答弁】

県では、合格者の事情に応じ、4月だけでなく、10月や1月の採用にも対応していることが示されました。

その上で、入庁時期の柔軟な運用を明確に打ち出し、多様な人材の確保につなげる「通年採用」に向けて検討を進めるとの答弁がありました。

【その後の動き】

代表質問で提案した通年採用について、県は入庁時期を柔軟化し、取組を強化する方針を示しました。

この動きは、9月24日付の神奈川新聞一面に「県が『通年採用』強化」「多様な人材確保へ」「入庁時期を柔軟化」と大きく掲載されました。

代表質問での政策提言が、具体的な採用改革へと動き始めました。

【今後の取組】

今回の制度強化を第一歩として、対象職種や採用時期のさらなる拡充を求めます。

また、県で勤務する臨時的任用職員などの正規職員への登用についても、働きかけを強化するよう要望しました。

3(2)LINEを活用した感染症情報の発信について

【質問】

県の「新型コロナ対策パーソナルサポート」には、現在も100万人を超える登録者がおり、新型コロナだけでなく、感染症全般に関する情報が配信されています。

しかし、「新型コロナ対策」という名称のままでは、感染症全般の情報を発信していることが県民に伝わりにくく、配信しても見てもらえない可能性があります。

新しいLINEアカウントを立ち上げるには費用がかかり、100万人規模の登録者を再び集めることも容易ではありません。

そこで、名称変更を改めて働きかけるなど、コロナ禍で築いた100万人規模の行政デジタル資産を、次の感染症危機へ継承する方策を質問しました。

【答弁】

知事は、LINEヤフー社が、利用者の想定と異なる情報が配信されるリスクなどを理由に、認証済みアカウントの名称変更を規約上一律に認めていないと説明しました。

県として名称変更は行わない一方、新型コロナ以外の感染症情報も配信していることを積極的に周知すると答弁しました。

また、居住地や年齢などに応じて必要な情報を届けるプッシュ型配信など、新しい機能の追加も検討するとしました。

【今後の取組】

名称変更は実現しませんでしたが、100万人規模の情報発信基盤を維持し、新機能を検討する方向が示されました。

必要な感染症情報が必要な方に確実に届くよう、周知方法と新機能の具体化を確認していきます。

3(3)地方独立行政法人神奈川県立福祉機構について

【質問】

県立福祉機構には、今年度、県から約30億8,000万円の運営費が投入されています。障害福祉サービス報酬などの自己収入を合わせると、総事業費は約35億円に上ります。

法人設立経費や大規模改修費などを除いた比較可能な経費でも、県直営だった昨年度より約11億2,000万円増えています。

また、法人職員向け研修費が約2,000万円であるのに対し、県内の障害福祉事業所などの職員向け研修費は約300万円にとどまっています。

そこで、来年度予算では、今年度の執行実績、自己収入、余剰金を厳格に検証し、福祉機構への運営費交付金を精査するよう求めました。

併せて、県内全体の障害福祉従事者の処遇改善と人材確保に、より広く県費を振り向けるよう質問しました。

さらに、中井やまゆり園の定員を現在の約80人から60人へ減らす一方、地域移行の受け皿となるグループホームをどのように確保するのかを問いました。

【答弁】

知事は、福祉機構の運営状況を確認し、真に必要な事業のみを計上するよう厳正な予算査定を行うと答弁しました。

また、福祉機構での支援の実践例を民間施設にも還元し、障害福祉従事者の処遇改善については、障害福祉サービス報酬の引上げを国に求めていくとしました。

グループホームについては、今年度の運営費交付金に建物の賃借料などを計上し、候補地を選定しているとの答弁でした。

【再質問】

川崎市をはじめ、現在も施設入所を希望し、切実な思いで入所先を必要としている方がいます。

大規模施設に戻さないという方向性と、現にある入所ニーズに応えることは両立させなければなりません。

そこで、「60人」という数字ありきで定員を減らすのではなく、実際の入所ニーズを踏まえ、県立障害者施設全体として必要な入所定員を確保すべきではないかと知事に再質問しました。

【再質問への答弁】

知事は、県立施設については、改めて60人規模への小規模化を目指すとの考えを示しました。

また、地域住民の理解を得ながらグループホームを確保すると答弁しましたが、具体的な場所や整備時期は示されませんでした。

【今後の取組】

私は、この答弁には納得できません。

地域移行の出口となるグループホームがなければ、「通過型施設」として成り立ちません。受け皿の整備より先に、定員だけを減らすべきではありません。

当事者目線の障害福祉は、福祉機構だけで実現するものではなく、県全体で実現するものです。

膨大な県費が、当事者の尊厳と支援の向上、県全体の障害福祉の底上げにつながっているのか、これからも厳しく確認していきます。

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