令和元年11月9日:『緊急!幸区 県政・市政報告会』レポート

先日、11月9日(土)に開催した『緊急!幸区 県政・市政報告会』のレポートです。
18時半より、古市場天満天神社 社務所にて行いました。

当日は用意した椅子が全て埋まるほど会場は満員でした。

当日の目次です。

1.神奈川県の災害対策動画風水害編を視聴

2.田村市議から報告

3.市川県議から報告

4.意見交換

1.神奈川県の災害対策動画風水害編を視聴

会の初めに神奈川県が作成した風水害被害についての動画を見てもらいました。

こちらが実際に見てもらった動画です。

2.田村市議から報告

続いて田村市議からの報告です。

田村市議のHPより内容が確認できます。
『台風19号の被害を受けて意見交換会』

3.市川県議から報告

次は市川からの報告です。
当日使ったパワーポイントの資料とともに、話した内容を紹介していきます。


県では広域的な災害対策を行います。
河川の管理については、多摩川は国が管理、支流の矢上川や平瀬川が県が管理することになっています。
多摩川の水位は国が管理しており、国交省HPのライブカメラで確認できますが、
国管理の河川の状況の情報共有の在り方については検討が必要です。

県政報告会

避難所の様子です。当日は8カ所の避難所を回りました。
左上が下河原小学校で3階以上の廊下や教室に毛布が敷かれており、人がいっぱいでした。
右下が古市場小学校です。受付の様子です。非常食の手配をしています。
水害時の場合、食料や飲料は原則、各々自らで用意することになっていますが、今回は現場の判断で配ったと聞いています。
水害時の食料や飲料の準備についても検討課題の一つです。
古市場小学校はスーパー堤防に整備されていますがそれでも2階以上に避難が必要です。こちらも廊下まで人がいっぱいでした。

 


川崎市中原区と高津区の視察の様子です。
左側の中原区では水門とその近くの浸水した地域、丸子地区を見てきました。
排水方法は川崎市の南側、中原区~川崎区は合流方式であり、雨水と生活排水が同じ管で流れます。
高津区~麻生区では分流方式で別の管で流れています。
そのため、今回内水氾濫の被害を受けた中原区ではマンホールから雨水だけでなく下水も溢れ出し、
一面が泥や生活排水で汚れてしまい消毒が必要な状態でした。
丸子地域では多摩川が増水した当時の水門の開閉の可否が議論となっています。

右側の高津区では多摩川の支流の平瀬川が氾濫しました。
多摩川の水が逆流するというバックウォーター現象が発生したと言われています。
床上に浸水するほど被害が大きく、1人の方がマンションの1階でお休みになっていて亡くなられる痛ましい犠牲が出てしまいました。
視察に行った各所でも廃棄物も大量に出されています。

県政報告会
時系列で見てみると、まず10時に浸水想定区域に避難勧告が出ました。
ちなみに幸区での土砂災害警戒区域は1ヶ所であり、加瀬山の夢見ヶ﨑のみです。
小倉、南加瀬、北加瀬の各一部が対象になるかと思います。
それ以外は浸水想定区域です。

19時に緊急避難指示が出ます。
テレビで情報を取得した人が多いと思いますが、私の町会は、町会理事の方から連絡をいただきました。
避難の伝達については課題も発見しました。防災無線がありますが暴風雨の際には聞こえないケースも出てきます。
また停電になるとテレビやパソコンなどからの情報は得られません。
スマホや携帯電話からの情報が頼りになりますが高齢者の方などスマホや携帯電話がない方は、乾電池のラジオを用意しておくことも必要と考えます。

県政報告会
川崎市では避難対象を浸水想定区域としています。(自治体判断で対象を決めることになっている)
今回、幸区の避難対象は153,464人です。
避難所は、区内小中学校22校が避難所となりましたが、浸水の恐れがあるため避難所では2階か3階以上と制限があり、
実際に何人受け入れられるか確認したところ明確な数字はないとのことでした。
実際に避難した人は3,870人でした。

下河原小学校では夕方にはすでにいっぱいでした。
避難者が殺到した際にどのように対応するべきか検証が必要です。
風水害での避難は初めてのことであり、市のやり方として洪水の場合は学校の先生と市の職員3~4人で対応していましたが
古市場小学校、下河原小学校では町内会の人が手伝っていました。町会との連携が絶対に必要と感じました。

これはハザードマップです。幸区のほぼ全域が対象になっています。
特に古市場地区は家屋流出の可能性も指摘される区域です。
浸水被害は実際の雨とは時間差でピークが来るので、雨のピークが終わったからと言って1階で休んではいけません。
必ず2階以上で寝るようにし、垂直避難が原則です。(高いところへ避難)


浸水継続時間のマップです。特に川崎駅近くは土地のレベルが低く、長い時間水が引かない地域となっています。

これは神奈川県が今年4月に出した高潮浸水想定区域のマップです。
水防法が変わったことによりつくられました。今まででもっともひどい台風被害を想定し、昭和9年室戸台風、昭和34年伊勢湾台風を参考にされています。
川崎駅北口では6m浸水する恐れがあるとされています。

これは内閣府の資料ですが避難の在り方が変わりました。警戒レベルが5段階で示されるようになりました。
先日の台風19号では警戒レベル5が出されました。
警戒レベル4で全員避難です。


今後の課題についてです。
まずは避難所のキャパシティーの問題です。全く決まってないので検証する必要があります。
次に避難方法、誘導の妥当性です。誰が避難するべきか、本当に避難する必要があるのか、どうやって避難するべきかを考える必要があります。
例えば避難所の確保については民間施設のショッピングセンターとの連携などが考えられます。
内水氾濫については武蔵小杉のタワーマンションのように約千人の人口が増加したとき、排水能力が十分整備されているのか、更なる下水管の敷設などインフラ整備が十分か検証するべきです。
浸水した時の消毒の問題もあり、原則自己負担であったが、今回は市長へ要望した結果、消毒キットが配られ、消毒車が出ることになりました。
今回は限られた地域でしたが、広範囲に及んだ場合どうするか対策を考えなければいけません。
罹災証明の手続きも見直す必要があります。

まずは地域防災計画の風水害編を抜本的に見直す必要があります。
そして国で決められたルールが特になく、ほとんどが自治体で決めることになっています。
避難所の運営の在り方なども自治体で決めることになっているのでしっかり決めていかないといけません。

4.意見交換

最後に意見交換の時間です。
当日出たご意見をまとめてご紹介します。

地域防災計画
・行政と地域コミュニティが継続的に意見交換をしながら地域の特性に合った防災計画を策定するべき

避難所
・受付の名簿記入に時間を要したので、混雑時は対策を考えてほしい。
・要支援者の対応が各避難所で差がある。
・避難所の定員が分からず、また避難所の受入れ人数が十分ではないため、行っても受け入れられないケースもある。リアルタイム情報を取得できるよう整備してほしい。
・受入人数に対応するため民間施設も避難所として協定を結べないのか。
・赤ちゃんや小さなお子さんがいる方への配慮をしてほしい。(授乳室や赤ちゃん用ベッドなど)

浸水対策
・貯留管や貯留池など雨水を貯留できる施設の整備。
・多摩川の堤防の高さの見直しが必要ではないか。
・河川敷の復旧について特にポンプ場や排水設備に関わる部分は優先的に早急に進めてほしい。

予定時刻を大幅に越えて終了しました。
多くの貴重なご意見ありがとうございました。

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