令和3年9月15日:第3回定例会 本会議 代表質問のご報告⑤【ワクチン接種証明書等の活用の課題について】

令和3年9月15日、県議会定例会にて行った代表質問の内容と答弁要旨を掲載致します。

【令和3年10月1日(金)テレビ神奈川(tvk)にて市川よし子の代表質問が放送されます!】

1 コロナ禍における喫緊の課題について

(1) ワクチン接種証明書等の活用の課題について

≪質問≫

「ワクチン接種証明書等の活用の課題について」伺います。

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(ぶんかかい)は3日、ワクチンが行き渡った後(あと)の経済(けいざい)社会活動の制限緩和について、ワクチン接種証明書や検査の陰性証明書を活用し、医療機関・高齢者施設での面会や県境をまたぐ旅行、大規模イベントなどの制限を緩める仕組みの検討や百貨店や飲食店での活用の検討などを提言しました。それを受け、9日には政府から、「ワクチン・検査パッケージ」という仕組みを活用し、行動制限を緩和する基本方針が示されたところです。
自粛が長期にわたって継続する中、経済活動の正常化への道筋を示すことは大変重要であります。しかし、分科会の尾身会長や全国知事会も懸念を示したように、現在の医療体制の逼迫状況の中で、緩和の議論だけが先行することで、誤ったメッセージにならぬよう慎重に配慮しなければならないのは言うまでもありません。
ワクチン接種証明書や検査の陰性証明に関しては、今後、国の動きを待たず、民間で活用する取り組みが進むことも想定されます。
その一方で、こうした取り組みがワクチン接種、未接種で新たな差別を生んだり、行動制限における不公平が生じることも懸念され、またワクチン接種は個々の任意のものですが、同調圧力になる、との見方もあるところです。海外に目を向けると、国がそうした証明の義務化を打ち出したフランスなどでは国を分断する大規模なデモなども起きております。
国は、ワクチン接種について11月を目途に希望者の接種がゆきわたると示しておりますが、ワクチンの効果が時間とともに薄れる可能性の指摘や新たな変異株が検出されるなど、今後の状況は予断を許さない要素があると言わざるをえません。また、原則自己負担で、とされた検査証明についても現状でどれだけの検査が可能なのか、精度は担保できるのか、課題は山積しています。
仮に今後経済活動の再開のためこのような証明書を活用するのであるならば、こうした課題を事前に整理し、人権への配慮や誰もが簡易に検査が受けられるスキームの構築などの対応を今から準備しなければならないと考えます。

そこで、知事に伺います。
今後想定されるワクチン接種証明書などの活用について、その課題である検査体制の拡充や人権への配慮などへの対応を含め、現段階で県としてどう考えるかご所見を伺います。

≪知事答弁≫

市川議員の御質問に順次お答えします。
コロナ禍における喫緊の課題について、何点かお尋ねがありました。
まず、ワクチン接種証明書等の活用の課題についてです。
今回、国が示した「ワクチン・検査パッケージ」は、ワクチン接種が進んでいく中で、ワクチン接種証明や、PCR検査等の陰性証明を条件に、行動を緩和していこうとするものです。
しかし、そこには、いくつかの課題があります。
例えば、ワクチンは、効果がいつまで持続するのか、まだ明らかになったとは言えません。
また、PCR等の検査に関しても、誰もが検査を受けられるスキームの構築自体が、かなりの難題です。
加えて、陰性証明として利用するからには、一定以上の精度を持っていることが必須であり、その基準づくりと認証が必要になります。
さらに、ワクチン接種証明書をお持ちでない方に対する不当な差別、といった人権面の課題も、議論が必要となります。
そもそも、緊急事態宣言が延長されたタイミングで、行動緩和に関する案が示されたことは、気の緩みにつながらないか、という声もあります。
しかし、長引く要請により、自粛疲れや鬱憤がたまっていることも考えれば、ワクチン接種が今後も進んでいく中、明るい希望が見える出口を示してくれたことは、意義があると考えています。
今後、こうした課題について国民的議論が行われることとなっていますが、その際には、地方の意見が十分に取り入れられるよう、本県としても、しっかりと取り組んでまいります。

≪要望≫

ワクチン接種証明書等の活用の課題についてですが、ワクチン・検査パッケージを活用し、経済活動を正常化していく、いわゆる出口戦略、これは自粛で疲弊されている県民・事業者の皆様へ示していくことは、政治の役割としては大事なことだと思います。
この一方で、昨年秋、GoTo事業にかじを切って、第3波が来てしまったことや、この7月も、酒類提供などを緩和した直後に、感染爆発が再び起きてしまったことを振り返ると、そうした経験を踏まえた上で、医療体制など注視しながら、このかじを切るタイミング、難しいと思いますが、慎重に検討することが求められている。
是非、一気にかじを切るというよりも、むしろ徐々に、緩和を図っていくとか、段階的に、同じ轍を踏まぬような、適切な取組を、まずお願いしたい。
課題もいろいろ共有させていただいたが、まず、その課題にどうやって対応していくか、ということをこれから具体的に考えていただかなければならない。
県民に混乱が起きないような対応を、事前に今から準備をされていくことが大切なので、そこはしっかりと、よろしくお願いしたい。

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